今更に、理念とか信念とかで「家」のつくり手たらんとしているわけではありませんので、「津嶋工務店の家は、かくかくしかじか……」なんだよぅ!!……と主張する何かがあるわけではないのです。
ただ、不易の観点、こいつばかりはちょいと譲れないぞぅということはあります。キーワード一覧風に言えば、
が三本柱といったところですね。
耐久性とかの住宅に求められる基本性能というものに関しては、一定レベル以下でしたら、これはもう世間様に相手にされないわけですから論外として、「そこまで必要なの?……」という超が付くほどの高性能を謳い文句にするつもりは毛頭ありません。
技術力が進歩して「現在」が陳腐化していくのが歴史であり、その流れの中では「性能」は少し先を行く程度で……という捉え方をするのが望ましい姿ではないでしょうか。費用対効果の面からもそれは「正しい」選択であるように思うのです。
性能がそういうものであるときに、私たちが住宅に求めるものは何になりましょう。十人十色と申しますが、住宅に対する考え方はまさにこの四字熟語が言い表しきっています。
ただ、ほとんど同じ間取りの分譲住宅・マンションや積極的賃貸派のことを考えると本当にそうなのだろうか?……、十人いれば十色の考え方がそれぞれまるっきり違うのだろうか?……に思いが至らざるを得ません。
実はここなのです。
住宅は人・家庭にとって重要なものであることに変わりはないのですが、人生や家族にとっては比重はともかくも、要素としては大きく分けて三つのうちの一つに過ぎないのです。すなわち、衣・食・住のうちの一つですね。これに今では、教育、クルマ、テレビ等々の様々な要素が加わります。生命保険というものも金額ベースで考えれば大きいものです。
こういった多くの要素の一つに過ぎない住宅に関して、さほどに関心がない人びともいらっしゃるわけです。
そういう人に「住宅は斯くあるべし!……」と主張しても詮ないことではありましょう。
わたくし事ですが、テレビにはあまり興味がありません。ですから、地デジが云々と言われても(ピン!……)と来ないのですね。
スポーツ観戦がお好きな方にとっては最低でも42型の液晶は欲しいところだそうです。文学少年(青年? 壮年? 老年!?)である者にとっては、野球はイチローが活躍すればよいことですし、オリンピックはブラウン管テレビで十分なのです。
が、テレビ好きの人にとってはこれは「許されない……」ことのようです。
なるほど、神社仏閣・名所旧跡、自然の絶景を見るにはデジタル放送の方が好ましいのは知っています。幸いなことにプラズマテレビはあります。滅多に見ませんが……。確かに綺麗で、「さすが……」と思います。
まさかテレビと住宅を同列にするつもりもありませんが、興味の面ではそれぞれがそれぞれのベクトルを持っているのですから、自分の人生の中でどのベクトルに重きを置きたいのかによっては、住宅は上の階の人と同じ間取りのマンションで結構、隣の家と同じプランで十分という方々の存在は否定される何ものもありません。賃貸マンションのオーナーとしては、むしろそういう方々がいて下さらなくては困るのです。
しかし、一方で、間違いなく『住む』ことにこだわりたい人もいます。住宅が「大事!……」な人ですね。
そういう人にとっては、性能面は無論のこととして、先ほどの「家楽しい」 「住みつぐ」 「心地よい」というキーワードを通して家づくりをしているつくり手が居るというのは、あながち迷惑なことではないだろうと思っています。ここに手前共がこの世に存在している理由(わけ)もあろうかというものです……とは、あまりにも自画自賛に過ぎましょうか。
さて、その三点に関して、これからお話し申し上げなければならないところではありますが、少ぅし疲れてもきましたので、今後、ブログなどでわたしが考えていることなどを紹介させて頂くとして、本日のところはこれまでと致しとう存じます。